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敷料の微生物バランス改善による乳房の健康維持

敷料の微生物バランス改善による乳房の健康維持

乳牛は1日に平均で10~13時間を横臥して過ごし、その横臥時に乳房は床面に長期間接触することになります。敷料は管理方法によっては、好ましくない細菌の温床になります。そのような不衛生な敷料を用いている場合、体細胞数(SCC)の増加や乳房炎の発生につながりかねません。乳房の健康を守るために、敷料の衛生管理に取り組んでみませんか。

畜舎環境の微生物バランスを改善

敷料を好ましい細菌が形成する有益な保護層(バイオフィルム)で覆うことができれば、有害な微生物が入り込む余地が無くなります。ラレマンドバイオテック株式会社では、敷料を含めた畜舎環境の微生物バランスを改善するための微生物資材として、水に溶かして噴霧するマニュア プロと粉末散布用のイージーベッド プロの2種類をご提供しています。

戻し堆肥を用いている酪農場での試験

フランス国立農業・食料・環境研究所(INRAE)との提携によって実施された最新の試験では、マニュア プロについて下のような知見が得られています2
本試験はフリーストール牛舎の敷料として戻し堆肥を使用しているチェコ共和国の酪農場において、6月から8月に実施されました(対照区:2ペン115頭、マニュア プロ区:2ペン113頭)。マニュア プロ区では1週間に1回、6月は1平方メートルあたり1グラム、7月は1平方メートルあたり0.5グラムの水に溶かしたマニュア プロをストールに噴霧しています。

<試験結果>

  • 敷料中の微生物バランスの改善: 対照区の敷料からは、乳房炎との関係が知られているストレプトコッカス属(連鎖球菌)などのグループが検出されました。一方で、マニュア プロ区からは検出されませんでした。
  • 体細胞数の維持:  マニュア プロ区では敷料の微生物バランスが改善されたことにより、7月と8月の暑い時期でも体細胞数(SCC)が対照区よりも有意に低くなりました(図1)。これは微生物資材によって、乳房の健康が保たれたことを示しています。

図1. マニュア プロによる敷料の微生物バランスの改善が
乳中体細胞数(SCC)に及ぼす影響

さらに本試験のマニュア プロ区では、対照区よりも牛体の衛生スコアが改善しました。またマニュア プロに配合されている細菌が、乳中に侵入していないことも確認されました。

微生物資材を使用するその他の利点

マニュア プロイージーベッド プロなどの微生物製品を敷料に使用するその他の利点としては、石灰などの消毒剤と比べてヒトや動物への刺激が少ないことが挙げられます。ラレマンドアニマルニュートリションの畜産環境製品は、牛の皮膚や乳頭、関節をヒリヒリさせることはなく、 取り扱う人にとっても安全な成分で構成されています。

また含まれる乳酸菌が敷料のpHを低下させることによってアンモニア産生菌の増殖を抑制するので、畜舎空気中へのアンモニアの排出が抑えられます。アンモニアが少ない空気は、牛にも人にも快適な環境であると言えます。 さらに含まれる繊維分解酵素によって敷料の分解が進むことは、堆肥化時の発酵促進にもつながります。

ラレマンドバイオテック株式会社の畜産環境製品についてお知りになりたい場合は、
こちらをご覧ください。

参考文献

  1. Vasseur et al. 2012. Sampling cows to assess lying time for on-farm animal welfare assessment. Journal of Dairy Science, Volume 95, Issue 9, 4968 – 4977.
    https://doi.org/10.3168/jds.2011-5176
  2. Duniere et al. 2024. Conditioner application improves bedding quality and bacterial composition with potential beneficial impacts for dairy cow’s health. Microbiology Spectrum, Apr 2;12(4):e0426323. 
    https://doi.org/10.1128/spectrum.04263-23


投稿日 Sep 30, 2024 | 最終更新日 Oct 10, 2024

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