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暑熱による酸化ストレスは、母豚の繁殖成績を悪化させます
一般的に母豚は管理された豚舎内で飼養されますが、常に高温環境を避けることが出来るわけではありません。夏季の高温環境下の母豚群は、暑熱ストレスに曝される機会が多くなり、繁殖成績に次のような悪影響が及びます。:
- 妊娠率(図1)と分娩率の低下
(Mellado et al., 2018, Austral Journal of Veterinary Sciences) - 妊娠維持の失敗
- 受胎率の低下
- 離乳後の発情再帰日数の延長
冬季の分娩と比較した時、夏季の分娩には次のような結果との関連が見られます。:
- 総産子数の低下
- 平均離乳時体重の低下
- 流産リスクの増加
妊娠期は酸化ストレスがかかる時期であり、スーパーオキシドや過酸化水素などの活性酸素種(ROS)の過剰な産生が生じます。産生された過剰なROSは、脂質やタンパク質の酸化を引き起こし、正常な内皮細胞の機能を阻害します (Serdar et al., 2003)。酸化ストレスの増加は、胎盤と胎子の骨格形成に変化を及ぼします(Prater et al., 2008)。さらに、酸化ストレスや抗酸化システムの混乱は、胎子の成長抑制や不妊といった様々な問題に関与することが報告されています。
このような理由から、暑熱ストレスが掛かる時期には、母豚の筋肉中に必要十分量の抗酸化物質が貯蔵されていることが重要です。ラレマンドアニマルニュートリションでは解決策として、抗酸化物質であるアルコセルとメロフィードを併給することをお勧めしています。:
- メロフィード :スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を、自然由来に豊富に含んだ乾燥メロン果汁です。SODは一次段階で素早く働く抗酸化物質であり、活性酸素種の中和に関与します 。
- アルコセル :生物学的利用能の高い有機セレンを豊富に含んでいます。抗酸化酵素グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)の構成成分であるセレンを補給することで、適切な抗酸化防御能を維持します。
夏季における、豚の暑熱ストレスの実状とおすすめの栄養管理について、
より詳しい資料をダウンロードすることができます。
投稿日 May 6, 2021 | 最終更新日 Jan 31, 2024